空手道は古来、武術・護身術として継承発展してきましたが、現在ではスポーツとして試合競技のみがクローズアップされています。しかし、今もっとも必要とされているのは、空手道が持つ体育養成法としての面です。生活習慣病を予防し、生き生きと快適に健康に生きていく為には、自分自身の身体を深く見つめ、無理なく運動する事によって心身の養成管理を行う事が大切です。空手道には1人で行う「型」というものがあります。

 「型」とは、技を合理的に組織構成したもので、あらゆる運動要素を含む全身運動であり、また自己への挑戦であり、自分で目標を定め理想な「形」へと高めて行く1人での作業であります。これを継続することが「心身」の養成・鍛練となります。「型」は1人で行うため「自分の体力」「その日の体調」に合わせ、無理なく負担をかけずに稽古できます。

中高年の初心者が稽古する際は、身体全体に過度な負担をかけないよう、ゆっくりと意識して動きます。この時に注意する事は姿勢と呼吸です。深くゆっくり腹式呼吸する事で、横隔膜が弛緩伸展しそれによって生じる筋紡鐘からの信号が視床下部へと伝えられ、脳内ホルモンのBエンドルフィンやセトロニンの働きで、心地よいとてもリラックスした状態を作ると共に、深く大きな呼吸を繰り返す事で酸素摂取量も高くなり、効率よく酸素を体内に取り込め免疫力も高くなります。

この様に呼吸と運動の一致を通して心も統制する。これは「禅」で言うところの・・・
調身(正しい姿勢に基づいた動作)・調息(腹式呼吸)・調心(心の囚われをとく無我)と同一であり、空手道の「形」は動く禅と言われています。現在多くの中高年の方々が大志塾で、生き生きと稽古に励んでいます。
皆さんも是非一緒に充実してみませんか?